しゃるるの日記

2018年に亡くなった父の話、アルツハイマーの母との生活なんかを書いてみる。なんか気になったことなんかも。

散歩

こんにちは

 

母を連れて近所を散歩してきた。

 

何十年住んでいても、知らない道、通ったことのない道のなんと多いことか。

通ったことのない道を歩いてその先に知っている道路があったときの驚き!

ああ!この場所に出るのか~!という驚き。

てくてく歩いていたら行き止まりだった時の、ちぇっ、行き止まりか・・・という思い。

 きっとこの辺りに小学校のときに同級生だった〇〇ちゃんの家があると思うんだけど・・・よくわかんないや、という諦めの気持ち。

 

 

いつもは車でさっと通り過ぎる道を歩く、ということが驚くほど新鮮。

見える景色がゆっくりで落ち着く。

 

散歩は意外に面白い。

 

 

アルツハイマーの母は人の家の表札に興味があるみたい。

表札をいちいち口に出して読む。

小さな声で、

鈴木さん家、山口さん家、加茂さん家、・・・う~む、なんて読むの?読めない苗字だねこれ、とか言いながら。

 

 

母も私も人の家の庭を見るのが楽しい。

バラが綺麗な家、秋明菊(しゅうめいぎく)が綺麗な家、合歓(ねむ)の木が大きい家、家で育てた苗木を売っている家。

 

とにかく皆さん庭造りがものすごく上手。

どんなにスペースが小さくてもバランスよく綺麗にまとめて植えている。

こういうの、才能だろうなぁ・・・。

 

 母の脳に少しでも良い刺激を与えたいので、あっちこっち指差しながら、

あ、あの花綺麗、

あ、あの家の車すごい色、

あ、見てみて、すごい年季が入っているねあのアパート、

と声をかけて振り向かせて楽しませる。

 

 

ひどく暑かったり寒かったり風が強かったりと、そんなときはしょうがないとしても、

そんな気分じゃない、疲れた、とか言って外出を嫌う母を外に連れ出すのは毎度一苦労。

 でも散歩の後に文句を言っているのを聞いたことがないから、きっと楽しい散歩だったんじゃないかしら。

 

 

母はミニバッグを持って歩き、その中身は家の鍵や携帯。

私のミニバッグの中はハンカチ、ティッシュと共に母の財布を入れている。

散歩中何度も何度も私に「あれ?財布は?私持ってないよ!どこかに置いてきちゃったのかしら!?」とあせり気味に聞く。

自分のミニバッグの中に財布が入っていないのをひどく不安がる。

 

私が持っているよ、と伝えると安心した顔をする。

 

財布がなくなったら大変、ということはとっても良く理解していて絶対に忘れない。

それなのに今日が何月何日何曜日か分からない。

 

 アルツハイマーって病気は一体何なんだろうね?

脳の中がどうなっているのか全く分からぬ。

 

ま、前向きに考えるとすれば、生きていくうえで今日が何月何日何曜日かなんてことよりも、現金のほうが大切なのだから、まぁ、いい。いいよ。

 

だってしょうがないさ、病気だもの。

 

 将来はともかく今はまだ大切なことは忘れていないようだ。

この調子が続けば御の字なんだけどな。

 

アルツハイマーとは不思議なもんだと毎回思う。